欠点を克服する前にやるべきことがある。
それが強みを伸ばすということです。
あなたが上司なら、部下のできないことを指摘する前に、得意を指摘し伸ばしてあげましょう。
そうすることで、組織全体が明るく強くなるでしょう。
強みや得意をどのように見つけるのか?
それを可能にするのが「VRIO分析」です。
「VRIO分析」とは
「VRIO分析」とは、ジェイ・B・バーニー氏が提唱した内部資源の競争力を見極めるためのフレームワークです。
内部資源の分析ツールですので、自社の強みを把握するものになります。
私自身、クライアント先の強みを把握するためにしばしば活用しています。
4つの切り口から分析し、資源の有無だけでなく活用する力があるかどうかも判断材料になるため、
非常に有効な分析ツールです。
それでは見ていきましょう。
「VRIO」は、それぞれのアルファベットが切り口の頭文字を示しています。
- V:Value(経済価値)
- R:Rarity(希少性)
- I:Inimitability(模倣困難性)
- O:Organization(組織)
上記4つの切り口を順番に検討することで、その経営資源が強みなのか弱みなのか、
また持続的なものなのかが判別できます。
初めに「Value(経済価値)」で、企業の経営資源が「経済的な価値がある」かどうかをみます。
ここでの「価値」は、どれだけの顧客に対して付加価値を生み出すことができるのかを検討します。
次に「Rarity(希少性)」で、その経営資源を持っている競合他社が多いかどうかをみます。
希少であるほど、それだけ独自性があると言え、強みである可能性が高いです。
例えば、ポルシェのカレラという車は、リアエンジンリアドライブを特徴としています。(4輪駆動もありますが・・・)
このリアエンジンリアドライブは、非常に希少性が高いためポルシェ人気の大きな要素になっています。
「独自性の高い要素」を提供し、かつそれが顧客から受け入れられる場合は、大きな強みとなるでしょう。
そして「Inimitability(模倣困難性)」で、他社がマネ(模倣)できないかをみます。
マネすることが難しい場合は、その競争優位性は持続可能なものになる可能性が高いです。
その要因は、歴史的なものや特許などの他によくわからない(因果が曖昧)という理由も成立します。
最後に「Organization(組織)」で、組織的に活用できるのかをみます。
「経済価値」と「希少性」、「模倣困難性」があったとしても、
それを組織的に活用できる状態でないと、本当の強みとは言えません。
「VRIO分析」のやり方
原則として、
- V:Value(経済価値)
- R:Rarity(希少性)
- I:Inimitability(模倣困難性)
- O:Organization(組織)
1から順番にイエスかノーで答えていきます。
そうすることで「競争劣位、競争均衡、一時的な競争優位、持続的な競争優位」のどれかの状態であることがわかります。
1がイエスの場合、2に進みます。
1がノーの場合は、その要素は「競争劣位」となり『弱み』と判断します。
2がイエスの場合、3に進みます。
2がノーの場合は、「競争均衡」となり『強みではない』と判断します。
3がイエスの場合、4に進みます。
3がノーの場合は、「一時的な競争優位」となり、長くは続かないが『強み』と判断します。
4がイエスの場合は、「持続的な競争優位」となり、『真の強み』となります。
これを応用して、自分自身の強みを探していきましょう。
「VRIO分析」で自分の強みを客観的に考える
以前ご紹介した「SWOT分析」よりもさらに強力な強みを発見することができる、それが「VRIO分析」です。
「SWOT分析」で導き出した強みの部分だけを、さらに深く分析し、本当の強みを見極めるためのフレームワークが「VRIO分析」ということです。
試しに、自分のいい点を上記のやり方を参考に「VRIO分析」してみてください。
あなたの『真の強み』が見つかりますように。
そして、それが自信となり、あなたのビジネスを成功に導いてくれることを願っています。