心理学

自分の潜在能力を引き出す「プラシーボ効果」

プラシーボ効果とは?

「押収された小分け用パケとシャーレの小麦粉」の写真

「偽薬効果」「プラセボ効果」とも言われます。
実際には有効ではない薬でも、信頼する人物から勧められると本当に効いてしまうという心理効果のことです。
新薬の実験でも、事前に効能を説明するとプラシーボ効果で治ってしまう例もあるほどです。
思い込みによって、けがや病気が治ってしまうなんて、すごくないですか?
「プラシーボ」とは、元々はラテン語で「喜ばせる」という意味だと言われています。

有名な例を挙げると
「いたいのいたいの飛んでけ~」って子供にやりますよね。
あれもプラシーボ効果の一つです。

みなさんも信頼する上司から「お前は本当に説明が上手いな」などと褒められると、自分は説明が得意だと
自信がつくこともあるのではないでしょうか。

人材育成が得意なマネジャーは、無意識かもしれませんが、この「プラシーボ効果」を使いこなすことが上手です。
もちろん、まったくの嘘はよくありませんが、相手の良いところを見つけて褒めてあげることで、
人間の「信じる力」の強さを引き出すことができます。

私自身も信頼する上司から、「お前はお客様と打ち解けるのが本当に上手いな」と言われ続けたためか、
自分の強みは「お客様の懐に飛び込むことだ」と考えていました。
今から考えると、上司に言われ続けて、自分が思い込んだことで強みに育ったのだと考えています。

プラシーボ効果の使い方(上司編)

「ダイエットに成功したビジネスマン」の写真[モデル:Max_Ezaki]

あなたが上司なら部下に対し『プラシーボ効果』を発揮させてあげましょう。
あなたの思った通りに部下が育ってくれるかもしれません。
コツは、相手の「存在の欲求」「人間関係の欲求」「成長の欲求」を満たしてあげることです。
突然〇〇欲求って何?って感じですよね。

「存在の欲求」は、他人に認められたい、褒められたい、自分の存在を示したいという欲求です。
部下の成果だけではなく、行動や意見に対して良いと思ったら、認めてあげて、声に出してほめてみてください。
ほめることが苦手だという人もいるでしょう。
実感としては、日本のビジネスマンの9割が苦手なんではないでしょうか。
しかし、
「あの行動はなかなかできるもんじゃない」
「あの場で発言したことでムードが良くなった」
くらいで部下の存在欲求は十分に満たすことだができるでしょう。

「人間関係の欲求」は、自分にとって大切な人々(家族・友人・上司・部下など)との関係を良好に保ちたいという欲求です。
部下とは積極的にコミュニケーションをとりましょう。
と言っても、難しいことは必要ありません。
・毎日、あなたの方から相手の目を見てあいさつする。
・頑張ったら、結果に関わらず「お疲れ様」と声を掛ける。
・成果につながる結果を出したら「ありがとう」と感謝する。
・仕事の成長につながりそうな人間と引き合わせる機会を作る。
このような感じです。
成長意欲が高くない部下も、人間関係が良いと感じたり、刺激ある人とつながったりすると「成長の欲求」も活性化することが多いです。

「成長の欲求」は、成長を続けたい、実感したいという欲求です。
具体的には、部下に積極的に成長の機会を与えてあげましょう。思いつかなければ、部下は何をしたら「ガッツポーズ」をするか考えてみてください。
部下と一緒に考えてみてもいいでしょう。

これらを満たされることで、人は脳が活性化し快楽を感じるそうです。
実際に私が診断した企業で「会社の離職率が高い」と悩む経営者が少なくないのですが、
これらの企業は、例外なく上記3点の欲求が満たされる仕組みがありません。
それどころか、社員インタビューを行うと決まって次のような話が出てきます。
「自身の存在意義を感じられない」「職場の人間関係が悪い」「仕事の達成感や成長感が無い」です。
ですので、改善の方向はいつも同じです。
その企業ならではの方法で、3つの欲求を満たす施策を考えていきます。

この3つの欲求を意識して満たすようにすることで、
あなたのもとで働きたいという若手が続出することになるでしょう。
人材育成が得意だという評価がされることにもなります。

私自身の経験でも、この3大欲求を意識しただけで、自分の組織の離職率が0%になり、成果が目標値の200%になりました。
その事実がきっかけとなり、会社組織の「人材育成責任者」を任されることになりました。

プラシーボ効果(自分編)

もしも、自分自身が仕事に悩むようなことがあれば、『プラシーボ効果』を、自分に試してみてはどうでしょう。
次の休みに時間をとって、自分の強みを見つけてみてください。
もしも、強みが見つからず、苦手なことや弱みばかり思いつくようであれば、
その弱みは別の面からみて、強みになることはないでしょうか。

例をあげると
・自己主張が強い     ⇒ 積極性がある
・周りに流されやすい   ⇒ 協調性がある
・計画性がない      ⇒ 行動力がある
・自分で抱え込んでしまう ⇒ 責任感がある
・心配性である      ⇒ 計画性がある
・神経質である      ⇒ 几帳面である
などです。
見方を変えてみることが重要ですね。

強みを意識して、
「自分なら絶対にできる」「この仕事は上手くいく」「まだまだ成長できる」
と信じ、行動してみてください。

行動することで消える悩みも多くあります。
ぜひ、自分を信じてあげられるのは自分しかいません。
「自分を信じることから自信が生まれる」
ということで、「プラシーボ効果」をうまく活用して、本日も笑顔で乗り切りましょう!

-心理学

© 2024 よっしゃー!ブログ Powered by AFFINGER5